本文へスキップ
ふくみる
メニュー
ホーム / 読みもの

FUKUMIRU

伊勢津彦命とは?風を起こして去る神と、伊賀に残る祭神名

ふくみる編集部

土地を旅する伝承をモチーフにしたAI創作イラスト

ふくみる制作のAI創作イメージ。実在の人物の肖像・神像・文化財・現地風景を再現したものではありません。

この記事の目次

伊勢津彦命いせつひこのみことは、伊勢に伝わる古い物語に登場する神様です。伊勢と聞くと天照大御神を思い浮かべますが、土地の名を持つ神の物語も残っています。三重県伊賀市の都美恵神社では、現在の祭神一覧に伊勢津彦命の名が見えます。

土地を離れる旅をイメージしたAI創作挿絵です。伊勢津彦命の姿・風土記の場面・実在の風景を再現したものではありません。
土地を離れる旅をイメージしたAI創作挿絵です。伊勢津彦命の姿・風土記の場面・実在の風景を再現したものではありません。

風と波を起こして去る神

中部大学が公開する『GLOCAL』第10号には、『伊勢国風土記いせのくにふどき』の逸文いつぶんが紹介されています。逸文とは、元の書物がそのまま伝わらなくても、別の書物の引用などに残った文章のことです。

そこでは、伊勢津彦は天日別命と向き合い、夜に風を起こし、海の波に乗って東へ去ると告げます。大風によって波が立ち、伊勢津彦は信濃へ向かったと語られます。土地を去る場面が、風と海の大きな動きによって描かれているのが印象的です。

「神風の伊勢」を読む入口

同じ大学資料は、伊勢にかかる「神風の」という言葉を、風や息吹との関係から考察しています。これは古い言葉の解釈をめぐる研究です。物語をそのまま歴史上の移住の記録と決めつけず、風景と言葉が結びついた表現として読む楽しみがあります。

都美恵神社に残る名前

伊賀市柘植町の都美恵神社つみえじんじゃは、多くの祭神を祀る神社です。三重県神社庁の案内では、その一柱に伊勢津彦命を挙げ、例祭を4月5日としています。

同社の由緒には、洪水で旧社地が被害を受け、1646年に現在地へ移ったこと、明治期に地域の神社を合わせて祀ったことが記されています。現在の祭神名と神社の歩みを読むことで、古典の中だけに見えた神が、地域の祭祀にも受け継がれていることに気づけます。

一方、同じ神とする説や似た名前の神が見つかっても、地域ごとの由緒は別に確かめる必要があります。ここでは伊勢津彦の風土記の物語と、都美恵神社の現在の案内を区別して紹介しています。

関連する神様

  • 天照大御神 — 伊勢の信仰を別の物語から読む入口。
  • 志那都比古神 — 『古事記』の風の神。伊勢津彦とは別の神名です。
  • 倭姫命 — 伊勢鎮座の伝承に関わり、都美恵神社でも祀られます。

出典

こんな福の話もあります