
この記事の目次
- 『古事記』や『日本書紀』に登場する、太陽の性格をもつ神。
- 須佐之男命の乱暴をきっかけに天岩戸へ隠れた神話で知られる。
- 伊勢神宮の内宮に祀られ、皇室の祖先神としても語られる。
天照大御神とは?
天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、日本神話に登場する神です。『古事記』では、伊耶那岐神が禊をしたとき、左目を洗って生まれたと語られます。右目から生まれた月読命、鼻から生まれた須佐之男命とともに「三貴子」と呼ばれます。三柱それぞれの物語は、月読命の記事、須佐之男命の記事もご覧ください。
『日本書紀』では誕生の伝承や表記に異なる伝え方が記されています。天照大御神は「日神」と関わる性格をもつと考えられていますが、古典の記述を比べると、神の誕生や位置づけは一つの筋だけではありません。ここでは、古典に記された神話として紹介します。
天岩戸の神話
『古事記』では、須佐之男命が高天原で乱暴を重ねたため、天照大御神は天岩戸にこもってしまいます。太陽の神が姿を隠し、世界は暗くなったと語られます。困った八百万の神々は、天安河原に集まって相談し、祭具を整え、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が舞を披露しました。
外のにぎわいを不思議に思って岩戸を少し開いた天照大御神を、天手力男神(あめのたぢからおのかみ)が引き出し、世界に光が戻ります。舞や鏡、力強い神の働きが一つにつながるこの物語は、神楽や神社の祭りを思い浮かべる手がかりにもなります。『古事記』のあらすじは國學院大學の解説で確認できます。
天岩戸の物語は、太陽が実際に消えた出来事を記録したものではなく、『古事記』などが伝える神話です。物語の描写と、後の祭りや信仰を分けて読むと理解しやすくなります。
天照大御神と伊勢神宮
天照大御神は伊勢神宮の内宮(皇大神宮)に祀られています。神話では、天孫降臨にあたり、鏡を自分の御魂として祀るよう伝えたとされます。内宮・外宮それぞれの祭神や参拝の違いは、伊勢神宮の内宮と外宮の記事で比較しています。鏡・剣・勾玉にまつわる神話は三種の神器の記事もどうぞ。
「天照大神」と表記することも
「天照大御神」のほか、「天照大神」「天照皇大神」などの表記も見かけます。神社や資料によって表記が異なるため、参拝先の由緒書ではその場所で使われる表記を確認しましょう。神名の成立や神格には研究上の諸説もあります。太陽神という一言だけで説明しきらず、天岩戸や伊勢神宮、三貴子の物語と合わせて知ると、信仰の広がりが見えてきます。
出典・画像
- 國學院大學 古典文化学事業「天照大御神」
- 國學院大學 古典文化学事業『古事記』あらすじ
- 神社本庁「神社と神道」
- サムネイル:春齋年昌「岩戸神樂之起顯」1887年刊、Wikimedia Commons・パブリックドメイン。