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この記事の目次
予母都志許売は、黄泉国から逃げる伊邪那岐命を追う存在です。黒御縵から生まれるぶどう、櫛から生まれるたけのこ、八雷神と桃へ続く逃走の物語を紹介します。
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予母都志許売(よもつしこめ)
よもつしこめ。『古事記』で、黄泉国から逃げる伊邪那岐命を追う存在です。伊邪那美命の命を受け、黄泉の側から追いかけます。ここでは、現在の神社の御祭神と同じ扱いで利益を分類するのではなく、神話に登場する存在として紹介します。
見てはいけない姿を見た後の追跡
伊邪那岐命は、黄泉で妻の変わった姿を見て逃げ出します。伊邪那美命は恥をかかされたとして追わせます。予母都志許売は、死の国に入った神が元の世界へ戻る際の、最初の追手です。
黒御縵から、ぶどうの実が生まれる
伊邪那岐命は、黒御縵を投げます。そこからぶどうの実が現れ、追手が食べる間に逃げることができます。衣や装身具が、別の物へ変わって追跡を遅らせる仕掛けです。
櫛からは、たけのこが生まれる
さらに、髪に挿した櫛の歯を取って投げると、たけのこが現れます。予母都志許売が食べている間に、伊邪那岐命は先へ進みます。身につけるもの、食べるもの、逃げる時間が、物語の中で結びついています。
八雷神と黄泉軍が、さらに追う
その後には八雷神や黄泉の軍勢も追跡に加わります。伊邪那岐命は剣を用い、黄泉比良坂で桃を投げて退けます。予母都志許売だけで、すべての追跡の場面が終わるわけではありません。
醜いという字を、現代の人への評価に使わない
名に用いられるシコの語は、古語の解釈と神話上の位置づけの問題です。現代の容姿や女性の価値を評価する言葉として、物語を利用するものではありません。恐ろしい追手としての働きを、古典の表現として読みます。
異界からの逃走の話として
物を投げると食物などへ変わり、追手を遅らせる話は、さまざまな物語との比較も行われます。ただし、似た筋があるだけで、特定の一つの国からそのまま伝わったと断定することはできません。比較研究と、確定した伝播経路は別です。
伊邪那美命・八雷神・桃の神を区別する
追わせる伊邪那美命、追う予母都志許売や八雷神、追手を退ける桃には、それぞれ別の役割があります。八雷神、桃の神、千引の石の神と順に読むと、帰還の場面がつながります。
縵と櫛は、姿を変えて追手の足を止める
伊邪那岐神が黒御縵を投げると実が生じ、櫛の歯を投げると筍が生じます。予母都志許売が食べるあいだに逃げるという、時間を稼ぐ展開です。追手を直接倒す武器とは違い、身につけていた物が食べ物へ変わるところに、異界からの逃走らしい不思議さがあります。
| 使う物 | 変化と働き |
|---|---|
| 黒御縵 | 実が生じ、追手が食べる |
| 櫛の歯 | 筍が生じ、追手が食べる |
| その後の桃 | 別の追手を迎え撃ち退ける |
追手の交代を見ると、逃走の緊張が分かる
食べ物で足止めされた後にも、八雷神と黄泉軍、さらに伊邪那美神の追跡が続きます。予母都志許売の一団が黄泉のすべての神なのではありません。追う側が変わり、逃れる手段も変わる構成を追うと、最後に通路を閉じる石の意味が際立ちます。
解説の参考:予母都志許売



