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この記事の目次
国譲りの物語には、天若日子の父・天津国玉神、助言する天佐具売、雉の鳴女、問い合わせの使者・天迦久神が現れます。それぞれの役割と登場する順序を紹介します。
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国譲りには、交渉する神以外にも役割がある
葦原中国をめぐる物語では、天若日子や建御雷神だけでなく、使者を送る神、助言をする神、葬送を行う神も描かれます。ここでは、物語の転換点に現れる四つの名を比較します。
天津国玉神(あまつくにたまのかみ)
天若日子の父神です。子が高天原から返された矢によって亡くなると、天から降り、葬送を行います。天津という語を持ちますが、地上を統治する天若日子本人の別名ではありません。
天佐具売(あめのさぐめ)
天若日子のそばで、鳴女を射るよう勧める神です。天若日子が復命しない理由を問う使者に対する攻撃が、反逆と死へつながる転換点になります。神名の意味や位置づけには諸説があります。
鳴女(なきめ)
高天原が遣わした雉の使者です。八年たっても返事のない天若日子のもとへ向かいますが、射殺されます。鳴く声を悪いと決めつけられる場面を、現実の鳥の吉凶を判定する方法として使うものではありません。
天迦久神(あめのかくのかみ)
天之尾羽張神へ問い合わせに向かう神です。尾羽張神が天安河を塞いでいるため、他の神が容易に近づけないという場面で登場します。国譲りの交渉そのものに出雲へ派遣される神とは役割が違います。
葬送の父と、友人を取り違える場面
天若日子の葬送には、友人の阿遅志貴高日子根神が訪れます。亡くなった子によく似た姿を見た人々が取り違え、怒りを招く場面へ進みます。天津国玉神という父の存在を知ると、葬儀の場で誰が嘆くかが分かりやすくなります。
雉と鹿を思わせる神名
鳴女は雉の使者として明記されます。一方、天迦久神の名には鹿との関わりを考える説がありますが、同じ種類の鳥や、同じ任務の使者だとまとめるものではありません。名義の研究と、物語で明示される姿を分けて読みます。
天若日子の死と、次の使者の選定
鳴女を射た矢が高天原へ届き、返された矢が天若日子に当たるという筋の後、次の使者が議されます。天迦久神の問い合わせは、天之尾羽張神から建御雷神への推薦へつながります。四神の役割を場面順に置くと、物語のつながりが見えます。
国譲りの主な神々へ
天之菩卑能命・天若日子・天鳥船神、天之尾羽張、阿遅志貴高日子根神の記事と合わせて読めます。
鳴女への進言から、返り矢へ筋がつながる
鳴女が報告を求めると、天佐具売は天若日子に、その雉を射るよう勧めます。授けられた弓矢で天上の使いを射たことが、矢が戻って本人を貫く結末へつながります。助言する側、実行する側、命令を伝える側を分けると、出来事の因果を追えます。
| 神・存在 | 場面での役割 |
|---|---|
| 鳴女 | 復命しない理由を問う |
| 天佐具売 | 鳴女を射るよう進言する |
| 天津国玉神 | 死んだ天若日子の父として葬儀に関わる |
| 天迦久神 | 次の候補の天之尾羽張へ問い合わせる |
同じ使者でも、向かう場所が違う
鳴女は地上の天若日子へ向かい、天迦久神は天上の天之尾羽張へ向かいます。二人がともに出雲の大国主神と交渉するわけではありません。誰が誰に何を聞くかを記録すると、国譲りの派遣が何段階もあることと、周辺の神々が果たす働きが見えてきます。

