.jpg)
この記事の目次
大国主神の子孫の後の世代を、活玉前玉比売神・美呂浪神・天日腹大科度美神・遠津待根神からたどります。母方の親神と、十七世という世代の数え方も整理します。
.jpg)
子孫の系譜には、結ばれる女神の親も現れる
多比理岐志麻流美神から後の世代を読むと、活玉前玉比売神、青沼馬沼押比売、若尽女神、遠津待根神が婚姻の相手として並びます。それぞれの親神も添えられるため、母方を含めて読むとつながりが見えます。
活玉前玉比売神(いくたまさきたまひめのかみ)
比々羅木之其花麻豆美神の娘です。多比理岐志麻流美神と結ばれ、美呂浪神を生みます。前の世代の前玉比売とは、親も配偶者も子も異なる女神です。
美呂浪神(みろなみのかみ)
多比理岐志麻流美神と活玉前玉比売神の子です。敷山主神の娘の青沼馬沼押比売と結ばれ、布忍富鳥鳴海神を生みます。
日名照額田毘道男伊許知邇神(ひなてりぬかたびちおいこちにのかみ)
鳥鳴海神と結ばれ、国忍富神を生む神です。この神は世代の流れでは前の方に位置します。長い名前の中の男の字だけから、本文が示す婚姻関係を勝手に変更しません。
敷山主神(しきやまぬしのかみ)
青沼馬沼押比売の親神です。大国主神から続く父系の直系子孫として列挙されるのではなく、結ばれる女神の親として系譜に入る点を区別します。
比々羅木之其花麻豆美神(ひひらぎのそのはなまずみのかみ)
活玉前玉比売神の親神です。柊を思わせる名ですが、語の細かな意味には諸説があります。木の名を含むから、久々能智神の別名だとまとめるものではありません。
天日腹大科度美神(あめのひはらおおしなどみのかみ)
布忍富鳥鳴海神と若尽女神の子です。天狭霧神の娘の遠津待根神と結ばれ、遠津山岬多良斯神を生みます。科度の語を風と関係づける解釈もあります。
遠津待根神(とおつまちねのかみ)
天狭霧神の娘です。天日腹大科度美神との間に遠津山岬多良斯神を生みます。名の意味は詳らかでなく、遠津を一つの現代の港の地名へ直結させることはできません。
遠津山岬多良斯神(とおつやまさきたらしのかみ)
天日腹大科度美神と遠津待根神の子です。古事記で八島士奴美神から続く十七世の神々をまとめる、末尾に置かれる神名です。
十七世とは、配偶者を含めた全員の人数ではない
古事記は、祖先から遠津山岬多良斯神までを十七世と称します。途中には妻やその親の名も挙がりますが、名前が出た順に一人ずつ数えることと、世代を数えることは違います。
似た名の女神と、母方の親を区別する
前玉比売と活玉前玉比売神、鳥鳴海神と布忍富鳥鳴海神のように、似た語が異なる世代へ現れます。父母と子を一組にして本文と照合すると、長い系譜でも取り違えが減ります。
系譜を神話の地図として読む
大国主神の祖先、子孫の前半と合わせると、須佐之男命から大国主神、その後の世代へという大きなまとまりをたどれます。
本文の「此の神」を追い、親の組を一段ずつ確かめる
古事記の系譜は、神の名を挙げた後に「此の神」と続け、次の婚姻と子を示します。この指示を一段ずつ読み戻すと、美呂浪神と、配偶者の青沼馬沼押比売の父の敷山主神を取り違えずに済みます。親・配偶者・その親の三つを別の欄へ分けると整理できます。
| 親の組 | 生まれる神 |
|---|---|
| 多比理岐志麻流美神・活玉前玉比売神 | 美呂浪神 |
| 美呂浪神・青沼馬沼押比売 | 布忍富鳥鳴海神 |
| 布忍富鳥鳴海神・若尽女神 | 天日腹大科度美神 |
| 天日腹大科度美神・遠津待根神 | 遠津山岬多良斯神 |
系譜の末尾から、山野の神生みへ戻れる
遠津待根神は天狭霧神の娘として記されます。子孫の列を最後まで追うと、神生みの山と野に関わる名前へ再びつながります。長い活躍譚がない神々でも、婚姻の接続を保って記録すれば、名鑑を物語の地図として歩けるようになります。
あわせて読む:子孫の前半 / 天之狭霧神と山野の八神
解説の参考:大国主神の系譜 / 天日腹大科度美神 / 青沼馬沼押比売 / 比々羅木之其花麻豆美神 / 活玉前玉比売神 / 美呂浪神 / 布忍富鳥鳴海神 / 敷山主神 / 遠津待根神 / 遠津山岬多良斯神 / 若尽女神
出典・参考資料
- 國學院大學「活玉前玉比売神」
- 國學院大學「美呂浪神」
- 國學院大學「日名照額田毘道男伊許知邇神」
- 國學院大學「敷山主神」
- 國學院大學「比々羅木之其花麻豆美神」
- 國學院大學「天日腹大科度美神」
- 國學院大學「遠津待根神」
- 國學院大學「遠津山岬多良斯神」
- 國學院大學『古事記』「大国主神の系譜」



