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祓戸四神とは?瀬織津姫・速開都比売・気吹戸主・速佐須良比売の役割

ふくみる編集部

年越しの大祓で祓いを行う神職の様子

伊勢神宮内宮の年越しの大祓。2006年12月31日に撮影された記録写真です。

この記事の目次

祓戸四神は、大祓詞に登場する瀬織津比売(せおりつひめ)・速開都比売(はやあきつひめ)・気吹戸主(いぶきどぬし)・速佐須良比売(はやさすらひめ)をまとめた呼び名です。川から海、根国・底国へと罪穢れが運ばれる描写に沿って、四神の役割を読み解きます。

伊勢神宮の年越大祓を記録した2006年の写真
伊勢神宮の年越大祓(2006年)。神々の姿を撮ったものではありません。Tawashi2006撮影/Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0。改変なし。

大祓詞の、祓いを語る場面に現れる四神

大祓詞は、罪穢れが祓い清められていく過程を、自然の動きと神々の働きによって表します。四神の名は、同じ女神の四つの別名ではありません。気吹戸主も含め、それぞれの場と動作がつながっています。

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瀬織津比売(せおりつひめ)は、川の瀬から大海原へ

せおりつひめ。速い川の瀬にいる神が、祓われた罪穢れを大海原へ運び出すと語られます。瀬織津姫・瀬織津比売などの表記があります。川の神として紹介される背景にも、この祝詞(のりと)の場面があります。

速開都比売(はやあきつひめ)は、潮の交わる海で受け取る

はやあきつひめ。荒潮や幾重もの潮の道が重なるところに坐し、流れてきた罪穢れをのみ込む神です。瀬織津比売が川から運ぶ働きと、海で受け取る働きとを分けると、二神の関係が明確になります。

気吹戸主(いぶきどぬし)は、根国・底国へ吹き放つ

いぶきどぬし。息を吹き出すところにいる神が、のみ込まれた罪穢れを根国・底国へ吹き放つと語られます。地名の伊吹山と名が似ることだけで、その山の特定の神と同一と決めることはできません。

速佐須良比売(はやさすらひめ)は、跡形なく失わせる

はやさすらひめ。根国・底国に坐し、送り込まれた罪穢れをさすらわせ、失わせる神です。四神の連なりの最後にあたり、いつまでも人の暮らしへ戻らないようにする祝詞の表現として読むことができます。

四神の順序は、暗記よりも動きでつかむ

川から運ぶ、海でのみ込む、吹き放つ、失わせる。この順で読むと、長い神名の一覧が一つの流れになります。ただし、これは祭祀の言葉に描かれた世界であり、現実の水循環や汚水処理を説明する科学的な記述ではありません。

また、根国・底国を「死後の地獄」と一語で言い換えると、神話・仏教それぞれの世界観を混ぜてしまいます。ここでは祝詞に用いられる名のまま受け止めるのがよいでしょう。

瀬織津姫は天照大御神(あまてらすおおみかみ)と同じ神?

後世の文献や各地の伝承には、別の神との同一視を含む説明があります。しかし、そうした解釈を大祓詞そのものが語る系譜へ移し、「天照大御神の別名である」と一律に断定することはできません。

特定の神社で誰を祀るかを知りたいときは、その神社の御祭神案内を優先します。祝詞にある働き、後世の解釈、現在の祭祀を区別すると、情報の出所が見えやすくなります。

夏越・年越の大祓(おおはらえ)とあわせて

神事の大祓は、日々の営みを振り返り、清らかに節目を迎える祈りの文化です。参加の手順や奏上する詞の形には違いがあるため、参列先の案内を確認してください。

年越しの大祓では、神々の名を知ったうえで神事の意味をたどれます。祈りによって災害や病気を必ず防げるという意味ではありません。

川から海へ、さらに根の国へ――祓いの流れを追う

大祓詞の後半では、罪や穢れがどこへ運ばれ、どのように失われるかが、四神の働きとして語られます。瀬織津比売が川の流れから大海原へ運び、速開都比売が呑み、気吹戸主が根国・底国へ吹き放ち、速佐須良比売が持ち去って失わせる、というつながりです。一柱が全部を担う説明ではありません。

神祝詞での働き
瀬織津比売速い川の瀬から大海原へ運ぶ
速開都比売海へ運ばれたものを呑み込む
気吹戸主根国・底国へ吹き放つ
速佐須良比売持ち去り、失わせる

雲・霧・船・草を使った比喩も読む

四神が現れる前にも、大祓詞は、風が雲や霧を吹き払い、船を綱から解いて海へ押し出し、繁った木々の根元を鎌で払う、といった身近な動作を重ねます。目に見えない祓いの働きを、流れること、離れること、取り除くこととして思い描ける文章になっています。

祝詞の言葉をただ神名の一覧として読むより、こうした景色や手の動きをたどると、なぜ川・海・息の働きが続くのかを感じ取りやすくなります。小國神社の掲載する本文と現代語訳は、その流れを並べて確かめる入口です。自然の水が実際にあらゆる害を除く、という科学的な説明ではなく、祭祀の言葉として味わいます。

神話の禊(みそぎ)と、儀式で奏する祝詞(のりと)をつなげて知る

伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊を語る『古事記』と、儀式の中で奏する大祓詞は、清めに関わる点で接しますが、同じ登場人物を同じ順に並べた文章ではありません。四神の名前だけを古事記の神生みの一覧へ移すと、どの資料が何を語るかが見えにくくなります。

住吉三神や綿津見三神の誕生と比べれば、物語で水に入る場面と、祭場で罪穢れが流れ去るよう願う言葉の、似たところと違うところを知れます。大祓の時期や参列方法は、訪ねる神社が出す案内に従ってください。

解説の参考:大祓(おおはらえ) / 宗像大社 公式ホームページ 

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