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御所車(ごしょぐるま)は、雛人形の下段に飾る車輪付きの乗り物の模型です。牛に引かせる牛車(ぎっしゃ)を表し、御駕籠(おかご)は人が担ぐ別の乗り物。現代の七段飾りでは、重箱とともに最下段へ並べる例があります。「なぜ人形に乗り物があるの?」「片方だけ無くしたら?」という疑問を、歴史・飾り方・買い替えの順に解きます。
結論を先にいうと、車輪があるか/担ぎ棒があるかで大まかに見分けられます。ただし小型・省略型の道具もあり、買い足す場合は外観だけでなく寸法・製作元・セット構成の確認が大切です。

御所車・牛車・御駕籠はどう違う?
御所車は雛道具の名称で、一般に牛車を模した小さな車を指します。実際の牛や担ぎ手の人形がついていなくても不備とは限りません。御駕籠は車輪でなく、人が棒を肩に担ぐ形の乗り物です。御所車の『御所』は宮廷文化を思わせる呼び名ですが、どの雛道具がどの時代の誰の乗用だったかまで一律に決められるわけではありません。
| 名前 | 形の見分け方 | 確かめたい部品 |
|---|---|---|
| 御所車・牛車 | 大きな車輪と屋根付きの車体 | 車輪・轅(ながえ)・引き紐・飾り |
| 御駕籠(おかご) | 左右に長い担ぎ棒、車輪はない | 担ぎ棒・吊り紐・屋根・脚 |
| 重箱(じゅうばこ) | 重なった箱の形。乗り物ではない | 蓋・台・房飾り |
呼称は商品によって「御所車」「牛車」「御所車(牛車)」と揺れます。中古品検索では三通り試すと見つけやすくなります。なお、神社のお祭りで担ぐ神輿は神様の御霊を奉安する乗り物で、雛人形の御駕籠とは用途が違います。
雛人形に乗り物を飾るのはなぜ?
雛道具の多くは、華やかな宮廷・婚礼の暮らしを小さな模型として表したものです。国立歴史民俗博物館の「和宮ゆかりの雛かざり」では、婚礼調度をミニチュア化した雛道具が約80点伝わると紹介されています。道具の一部には乗物も含まれ、雛飾りが単なる人形の集まりではなく、当時の衣食住や格式を映す世界であったことがわかります。
幸手市郷土資料館の「御殿飾りと雛道具」も、御殿飾りの下に嫁入り道具などを並べる例を紹介しています。つまり御所車や御駕籠は、晴れやかな宮廷・婚礼文化を象徴する飾りと理解すると全体の構成が見えてきます。
「乗り物があれば出世する」「欠けると不運になる」などの断定は、歴史資料で立証された事実ではありません。お祝いの道具に気持ちを託す文化と、運勢への実証的な効果は分けて考えましょう。

何段目に飾る?左右は決まっている?
一般的な七段飾りで吉徳が示す例では、六段目に箪笥や鏡台など、七段目は中央に重箱、正面から見て左に御駕籠、右に御所車を置きます。この配置がわかりやすい基準です。ただし絶対の統一規則ではなく、時代・地域・メーカー・セットによって左右や組み合わせが違います。
「古い写真と左右が逆!」と慌てて直すより、購入時の説明書や購入店の写真を先に確認しましょう。親王飾りや三段飾りでは乗り物が最初から付属しないことも普通です。無理に付け加える必要はありません。
向かって左:御駕籠 / 中央:重箱 / 向かって右:御所車
※吉徳公式の代表例。最終的には手元の製品説明を優先。
御所車だけ買い替えたいときの5つの確認
付属の一部だけ壊れたり、長い保管中に紐や車輪が外れたりすることがあります。急いで「御所車」で検索しても、同じ幅の製品とは限りません。先に次の5点を整理すると失敗を減らせます。
- 寸法:車体の横幅・奥行き・高さ、車輪を含めた全幅をミリ単位で測る。七段飾りの段の奥行きも確認。
- 雰囲気:黒塗り・朱塗り、金彩の模様、房の色を既存の御駕籠や重箱と見比べる。
- 付属品:車輪・引き紐・轅・飾りの有無を商品説明と現物写真で照合する。『車体のみ』に注意。
- セット構成:御所車だけの単品か、御駕籠・重箱との三点揃いかを確認。片方だけ色が変わらないように。
- 製作者:箱・底面のラベル・購入店の記録があれば同店に修理部品を照会する。無理な接着より相談が安全。
特に中古品は縮尺が難点です。例えば「一式」と書かれていても、人形の大きさと一致しない場合があります。写真に定規が写っているか、台座込みの寸法かを確認し、必要なら出品者に質問しましょう。
単品・三点セット・中古品、どれを選ぶ?
| 選び方 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 同メーカーの交換用 | 部分破損・同系統の補充 | 廃番・製造年の違い |
| 三点セット | 全体の色柄を揃えたい | 設置幅・重複部品 |
| 中古の単品 | 古い飾りの近い意匠を探す | 部品欠け・保管傷・サイズ |
| そのまま飾る | 小型飾り、装飾を減らしたい | 無理な買い足しは不要 |
選び方の基本は「本来のセットを復元したい」のか「飾りを増やしたい」のかを分けること。前者なら製作元への相談を先に、後者なら置き場所と全体の見た目を優先するのがおすすめです。
御所車・御駕籠を探す
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しまうとき・取り出すときの注意
車輪や房飾りが細い糸で留められているものもあります。持つときは車輪・紐ではなく本体の丈夫な部分を支え、取り外した小さな部品は製品ごとに分けて袋に入れましょう。収納時には房を強く折り曲げず、購入時の固定材を参考に。小さな部品は乳幼児の手の届かない場所で扱います。
古い漆塗り・金彩の装飾は水拭きや洗剤で傷むことがあります。乾いた柔らかい筆などで軽く埃を払う程度にし、劣化が見えたら専門店へ。接着剤の種類が不明なまま修理すると、のちの修復が難しくなる場合があります。

よくある質問
御所車は牛が付いていないと不完全?
牛が付かない雛道具もあります。模型の構成は製品によって異なるため、箱・説明書で確認してください。
御所車と牛車は同じ意味?
雛道具の説明では御所車を牛車と呼ぶことが多く、同系統の乗り物模型を示します。ただし商品名の使い方は一律ではありません。
御駕籠は神社の神輿と同じ?
違います。御駕籠は人を乗せて担ぐ乗り物を模した雛道具で、神輿は神事で神さまの御霊を奉安する乗り物です。
御所車は何段目に置きますか?
七段飾りの代表例では最下段(七段目)。向かって右に御所車、中央に重箱、左に御駕籠の順が知られていますが、付属説明書を優先してください。
御所車の車輪だけ買えますか?
部品の入手可否はメーカーや年代で異なります。車軸や塗装にも影響するため、同じ製作元・販売店に修理対応を確認すると確実です。
御所車がないと縁起が悪い?
欠けているだけで不幸になるという実証的根拠はありません。最初から乗り物のない親王飾り・三段飾りもあります。
左右を逆に飾ってしまったら?
伝統的な代表例はありますが、絶対の一律ルールではありません。写真や説明書で確認して整えれば十分です。
お駕籠は「駕篭」と書いても検索できますか?
「御駕籠」「御駕篭」「おかご」「駕籠」と表記ゆれがあります。中古市場では複数の語で検索してください。
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参考資料と画像の出典
- 国立歴史民俗博物館「和宮ゆかりの雛かざり」2025年1月14日:婚礼調度の雛道具と乗物を含む所蔵資料。
- 幸手市郷土資料館「御殿飾りと雛道具」:御殿飾り・嫁入り道具・蒔絵。
- 吉徳公式「雛人形の飾り方と並べ方」:七段目の代表的な御駕籠・重箱・御所車の位置。
- 日本人形協会・人形辞典:雛道具に御所車・御駕篭・乗物揃の項目があること。
- 神社本庁「神輿・山車」:神輿と人が乗る輿の用途の区別。
写真の利用:七段飾り(Asanagi、CC0)、御殿飾り(Daderot、CC0)、雛人形(U.S. Embassy Tokyo Press、CC BY 2.0、ライセンス)。3点とも既に利用条件を確認し自サイトのメディアライブラリに保存した画像を再利用。画像は御所車単品の実物見本や販売品の現物写真ではありません。記事は実際の購入体験・使用体験を称していません。



