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大国御魂神・韓神・曾富理神・白日神・聖神とは?大年神の五柱の子神

ふくみる編集部

西川祐信の画に描かれた伊邪那岐命と伊邪那美命。国生み神話の記事のサムネイル。
この記事の目次

大年神(おおとしのかみ)と伊怒比売(いのひめ)の間には、大国御魂神(おおくにみたまのかみ)・韓神(からのかみ)・曾富理神(そほりのかみ)・白日神(しらひのかみ)・聖神(ひじりのかみ)が生まれます。五神の読み方と、農耕・土地・古代の祭祀に関わる解釈を紹介します。

アイキャッチの出典:西川祐信《伊邪那岐命と伊邪那美命》。国生みを描いた絵画で、この記事の神々そのものを描いた肖像ではありません。メトロポリタン美術館所蔵(2015.300.115)/Wikimedia Commons(CC0)。参考図版であり、この記事で扱うすべての神の肖像ではありません。

大年神(おおとしのかみ)と伊怒比売(いのひめ)の間に生まれる五神

『古事記』の大年神の系譜には、母神ごとにいくつかの子神のまとまりがあります。ここで扱う五神は、伊怒比売との間に生まれる神々です。大年神の子は全員この五神だけ、という意味ではありません。

大国御魂神(おおくにみたまのかみ)

大国御魂神は、五神の最初に挙がります。国土の霊威との関係を読むことができますが、奈良の大和神社の日本大国魂大神(やまとおおくにたまのおおかみ)と、名前が似るだけで無断に統合するものではありません。

韓神(からのかみ)

韓神は、五神の第二に置かれます。古代の渡来や、宮中の祭祀に関わる神々との関係が研究されてきました。現在の国籍や民族の評価に神名を結びつけるのではなく、古代の信仰の交流として読みます。

曾富理神(そほりのかみ)

曾富理神は、五神の第三です。名の語源には諸説があり、古代の朝鮮半島との関係を考える説もあります。具体的な現在の都市を、神の出生地として確定したものではありません。

白日神(しらひのかみ)

白日神は、五神の第四に挙がります。日の名を持つ神ですが、天照大御神(あまてらすおおみかみ)や、ほかの系譜の白い日の神名を、説明なく同じ神にすることはできません。

聖神(ひじりのかみ)

聖神は、五神の第五です。ひじりのかみと読みます。ヒジリという語の意味や、日の霊との関係などが考えられますが、後世の僧侶や聖人という呼称をそのまま当てはめるものではありません。

母方には、神活須毘神(かむいくすびのかみ)の名が見える

伊怒比売は、神活須毘神の娘として系譜に置かれます。父の大年神だけでなく、母とその親神を組にして見ると、神々がどのようなまとまりとして連ねられるかが分かります。

大年神(おおとしのかみ)の系譜を、一つの農作業表にしない

系譜には農耕や暮らし、土地、祭祀に関わるとされる神が集まります。ただし、すべての神名に、種まき・田植え・収穫という個別の担当が明記されているわけではありません。解釈上の関係と、本文の明記を区別します。

宮中の祭祀や渡来系の神々との関係

韓神の名などを手がかりに、秦氏や渡来系の信仰、宮中祭祀とのつながりを考える研究があります。一方、系譜がいつどのように組まれたかには議論があり、全員が一つの場所から同時に渡来したと断定することはできません。

大国主神(おおくにぬしのかみ)の子孫の系譜とは別のまとまり

大年神と大国主神はいずれも須佐之男命(すさのおのみこと)と関係する系譜に置かれますが、ここでの五神は大年神の子です。似た長い神名が続くからといって、大国主神の直系子孫へ挿入しないようにします。

大年神(おおとしのかみ)のほかの子神へ

大年神と神大市比売(かむおおいちひめ)、天知迦流美豆比売(あまちかるみずひめ)の子神、羽山戸神(はやまとのかみ)の子孫と合わせて読むと、系譜の枝分かれが見えてきます。

五柱は、同じ母から生まれる一組として読む

大国御魂神・韓神・曾富理神・白日神・聖神は、大年神と伊怒比売の子です。伊怒比売は神活須毘神の娘とされます。この親の組を添えると、あとに並ぶ別の母からの子神と、ひとまとめに同じ役目を割り当てずに読めます。

系譜で確認するもの名前
父大年神
母伊怒比売
母の父神活須毘神
五柱の子大国御魂・韓・曾富理・白日・聖の各神

韓という字から、伝承の広がりを考える

韓神は宮中の祭祀などとの関係も論じられますが、五柱を全員同じ由来の渡来神とするわけではありません。名の解釈、古事記での親子関係、後の祭祀を分けて置くことで、農耕だけには収まらない大年神の系譜の広がりに気づけます。

あわせて読む:大年神 / 日本大国魂大神との違い / 別の母から続く神々

解説の参考:聖神 / 韓神 / 大国御魂神 / 白日神 / 曾富理神

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五神の母・伊怒比売(いのひめ)と、その親神

伊怒比売(いのひめ)

大年神との間に、大国御魂神・韓神・曾富理神・白日神・聖神の五神をもうけた女神です。大年神の他の配偶神、香用比売(かぐよひめ)・天知迦流美豆比売とは、本文における子神の組が異なります。

『出雲国風土記』などの女神との対応を考える説もありますが、古事記本文の関係と、他文献を結びつける学説を分けて扱います。

神活須毘神(かむいくすびのかみ)

伊怒比売の親神として大年神の系譜に名が出ます。國學院大學の解説は、名を住居の霊などと解する説を紹介していますが、古事記のこの神について独立した活躍の物語が語られるわけではありません。

神産巣日神(かむむすひのかみ)と字面や音が近くても、本文での登場位置と親子関係が違います。別名とする明確な根拠なしに、天地初発の神産巣日神へ統合しません。

この補足の出典

出典・参考資料

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