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備前焼はなぜ釉薬を使わない?窯の灰と緋襷・胡麻の模様を知る

ふくみる編集部

東京国立博物館展示の江戸時代の備前焼の鉢
この記事の目次

備前焼(びぜんやき)は、岡山県備前市伊部などで作られる、釉薬(うわぐすり)をかけずに長時間焼き締める陶器です。絵筆で模様を描かず、窯の灰や藁の跡、温度の違いで表面の色や模様が変わるのが面白いところ。同じように作っても、焼き上がりが一つひとつ異なります。

なぜ釉薬を使わない?

岡山県の文化財解説によれば、備前焼は釉薬を使わず、高温で長時間焼いて硬く仕上げるのが伝統的な特徴です。生地の土に含まれる成分や窯の環境によって、表面の色が変化します。釉薬がないから手抜きなのではなく、土と焼成の変化を生かす工芸と理解すると分かりやすいでしょう。

焼き模様にはどんな種類がある?

模様の名前 見た目 できる理由の例
緋襷(ひだすき) 赤褐色の線 藁を巻いて焼いた跡
胡麻(ごま) 点や流れのある灰色・黄褐色の痕 窯の灰が付着して溶ける
桟切(さんぎり) 灰色から黒色の変化 窯内の酸素量や炭などの影響

岡山県は、藁を巻いた部分が赤くなる緋襷の例を紹介しています。各模様の名称は工房で使い分けられることがあり、写真だけで焼成方法を特定しないようにしましょう。

備前焼(びぜんやき)はいつから続く?

岡山県の文化財案内では、鎌倉時代ごろに現在の備前市伊部で作られ始め、須恵器の技術を引き継いだと説明しています。備前焼は日本六古窯(にほんろっこよう)の一つで、千年近い焼き物の歴史を持ちます。ただし今の作家が作る器の製造方法まで、中世から一切変わらないわけではありません。

花器・茶器・食器で何が違う?

備前焼には花入、徳利、湯呑、皿などがあります。花器では水漏れと安定性、湯呑では口当たりと容量、皿では食品使用の可否を確認してください。伝統工芸の器だからすべて食器に使えるわけではありません。古い観賞用の作品は食品用として使わない方がよい場合もあります。

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使う前に水へ浸す必要はある?

焼き締めの器は表面の性質により水分や汚れを吸う場合があります。茶器などを使う前に水へ通すよう案内する工房もありますが、すべての備前焼で必須というわけではありません。濡らし方や乾燥の方法は製作者の説明を優先し、長く水へつけっぱなしにしない方が安心です。

「投げても割れない」は本当?

岡山県の観光情報に「投げても割れないほど丈夫」という言い回しが紹介されていますが、これは丈夫さをほめる表現です。実際には陶器であり、衝撃で割れます。試すために落としたり投げたりするのはやめましょう。

購入前の確認ポイント

  1. 窯元・作家名・産地
  2. 緋襷、胡麻、桟切など模様の説明
  3. 表面のひび・欠け・補修跡
  4. 食品使用・電子レンジ・食洗機の可否
  5. 器の容量、重さ、用途と保管方法

ほかの焼き物と比較する

九谷焼の五彩、有田焼と古伊万里と比べると、色絵と焼き締めの対比が分かります。工芸品は福もの市場、古い一点ものは掘り出し物市場が入口です(広告・PRを含みます)。

参考資料

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