
福笑いを表す顔とパーツのイラスト(Nesnad / Wikimedia Commons)。Public Domain。歴史上の特定の玩具の写真ではありません。
この記事の目次
福笑いは、目隠しをして顔の輪郭に目・鼻・口などの紙片を置き、出来上がった表情を楽しむ遊びです。お多福(おかめ)の顔がよく知られ、「笑う門には福来る」という言葉にも似合う正月の風物詩。ただし、「誰がいつ考案したか」ははっきり分かっていません。古い資料を手掛かりに、楽しみ方と歴史をたどります。
福笑いの基本的な遊び方
大きな紙に顔の輪郭を描き、別の紙から眉、目、鼻、口、耳などのパーツを切り出します。遊ぶ人は目隠しをしてパーツを一つずつ配置し、最後に目隠しを外して完成した顔をみんなで見ます。正解の位置に近いかを競っても、面白い顔になったことを笑い合っても大丈夫。明確な全国共通ルールがある遊びではありません。
いつ生まれた?「江戸時代に発明」は言い切れない
江戸東京博物館の図書室による調査では、起源の年代は不明ですが、江戸時代中期から後期には原型と考えられる遊びが存在したとされます。正月遊びとして広く定着したのは明治時代以降と説明されています。つまり、「江戸時代から現在と同じ福笑いが全国の家庭で行われていた」と決めつけるのは正確ではありません。
さらに江戸東京博物館に所蔵される「正月あそび4種」は、1880年(明治13年)の玩具絵に福笑いが含まれる貴重な資料です。当時は紙に刷られた遊びの道具として親しまれた様子を知ることができます。印刷技術の発達によって家庭へ広まったという説明ともつながります。
なぜ、おかめ・お多福の顔なの?
ふっくらした頬、細い目元、笑みを浮かべた口がお多福の特徴です。おかめ・お多福は福を招く笑顔の象徴として民芸品や面にも見られます。江戸東京博物館の展覧会でも、笑顔や福を主題とするお多福などの人物像が紹介されています。福笑いでは「美しく完成させる」より、思いがけない表情が生まれることを楽しむ点が魅力です。
顔の特徴や二つの面の関係を詳しく知りたい方は、おかめとひょっとこの違い・夫婦説の扱いもご覧ください。
ひょっとことはどう違う?
お多福が丸く柔らかな表情なのに対し、ひょっとこは口をすぼめてゆがめたような、ひょうきんな顔で知られます。どちらも面や郷土芸能に登場することがありますが、由来や役割は一つに定まりません。福笑いの図柄もお多福だけに限らず、ひょっとこ、動物の顔、家族の似顔絵など自由に作られます。
道具は何が必要?
| 用意するもの | 工夫 | 注意点 |
|---|---|---|
| 顔の台紙 | 大きめの紙に輪郭を描く | ずれにくい台紙にする |
| 顔のパーツ | 色紙や厚紙で作る | 小さな部品の誤飲に注意 |
| 目隠し | ハンカチなど | 苦しい場合は無理しない |
子どもと遊ぶなら、完成した顔を記録しよう
顔のパーツに磁石や面ファスナーを使った市販品、繰り返し貼れるフェルト製品などもあります。小さなお子さんの場合、パーツの大きさや素材の安全性、対象年齢を確認してください。スマートフォンで完成した顔を撮っておくと、翌年の正月にも笑い話になります。目隠しが苦手な人は目を開けたままでも構いません。
古い福笑いの絵を探す面白さ
明治期の刷物には、ゲームの道具でありながら、当時の絵師による図柄の味わいがあります。古い福笑いやお面を探すときは、年代・作者を出品文だけで断定せず、博物館の所蔵資料と照らし合わせましょう。参考として、江戸東京博物館所蔵の明治13年「正月あそび4種」を見ると、当時の印刷物を知ることができます。
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参考資料
- 江戸東京博物館「正月遊びの定番、福笑いの起源は江戸時代か」(2026年3月更新)
- Tokyo Museum Collection「正月あそび4種」(1880年)
- 江戸東京博物館「笑う門には福来る展」
こんな福の話もあります
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おかめ・ひょっとこの福笑い

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阿蘇山の土産として購入し、ガラスケースで保管していたとの説明。片面は鬼で、ひょっとこではありません。両面の表情とひび・欠けをご確認ください。
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