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式年遷宮はなぜ20年に一度? 「理由は定説なし」が面白い伊勢神宮の大祭

ふくみる編集部

2013年の伊勢神宮式年遷宮の内宮正殿

第62回式年遷宮(2013年)|撮影:Ocdp / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

この記事の目次
まず3つだけ
  • 伊勢神宮の式年遷宮は、20年に一度社殿などを新しくする大きな営みです。
  • 「なぜ20年か」には一つに決められた定説がありません。
  • 建築・祭祀・技術継承をまとめて見ると、その面白さがよく分かります。

20年に一度、神様のお宮を新しく造り、神様に新宮へお遷りいただく——伊勢神宮の式年遷宮。ここで気になるのが、「なぜ20年?」です。

木造だから20年で壊れる? 技術を若い世代へ伝えるため? 実は伊勢神宮の公式Q&Aは、なぜ20年なのかについて定説はないと説明しています。

「式年」と「遷宮」を分けると分かりやすい

神宮の公式案内では、「式年」は定められた年、「遷宮」は宮を遷すこと。式年遷宮では、内宮・外宮の社殿や御装束、神宝などを新しくし、大御神に新宮へお遷りいただきます。

伊勢神宮「式年遷宮とは」

最初の式年遷宮は690年

制度は天武天皇のご宿願により始まり、持統天皇4年(690)に第1回が行われたと神宮は説明しています。一時の中断を挟みながら、1300年以上にわたり繰り返されてきました。

「昔の建物を保存して残す」のとは違い、同じ様式を繰り返し造り替えながら受け継ぐ文化です。

なぜ20年? いろいろ推測されるが、定説はない

神宮は、素木造りの社殿や萱葺屋根の尊厳を保つため、宮大工や神宝の調製技術を継承するためなど、さまざまな理由が推測されてきたと紹介しています。しかし古い記録には「20年に一度」とあっても、その理由までは書かれていません。

分からないものを無理に一つの答えへまとめない。この点も、歴史を知る面白さです。

建物だけでなく「技」も新しく受け渡される

式年遷宮では、多くの宮大工や神宝の制作に関わる人々が参加します。神宮は、20年ごとの造替が建築技術や調度品を作る技を現在まで伝える結果につながったと説明しています。

完成した建物だけを見るのではなく、材料を選ぶ人、加工する人、祭りを支える人まで含めて受け継がれる大きな営みです。

「古いのに新しい」常若という考え方

神宮は「常若」を、常に若々しいという意味の言葉として式年遷宮の説明に用いています。古い形を守るために、古い建物をそのまま固定するのではなく、新しく造り続ける。

一見すると矛盾しているようですが、「形を残す」方法は一つではないことを教えてくれます。

第63回はすでに始まっている

第63回の式年遷宮は令和15年(2033)秋の「遷御の儀」に向け、令和7年(2025)から関連のお祭りや行事が始まっています。遷宮は一日のイベントではなく、長い年月をかけて進む一連の祭事です。

訪問する年によって見られる行事も変わるため、最新の公式予定を確認しましょう。

参考にした資料

伊勢神宮「式年遷宮とは」、「式年遷宮の思想」を参照。資料確認日:2026年10月6日。