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国立国会図書館所蔵『江戸自慢三十六興 目黒不動餅花』。江戸時代の餅花を描いた錦絵(歴史資料)で、現代の餅花・繭玉商品の写真ではありません。歌川国貞・歌川広重二代。PD-Art / Public Domain.
この記事の目次
餅花(もちばな)と繭玉(まゆだま)は、小正月に柳などの枝へ小さな餅や団子を付けて飾る、よく似た日本の年中行事の飾りです。餅花は実る穀物に見立てて豊作を祝い、繭玉は養蚕が盛んだった地域で蚕の繭に見立てたもの。呼び名や作り方は地域によって重なる部分もあるので、違いを一つの正解に固定しないことが大切です。
餅花と繭玉は何が違う?
農耕や養蚕の暮らしを調べた文化庁の食文化調査では、関東地方などで餅花が繭玉と呼ばれ、繭の形の餅を枝へ飾る例が紹介されています。日本の餅文化に関する展示でも、繭玉は餅花の一種と説明されます。したがって、名前が違っても別の品が必ず使われたわけではありません。
| 比べる点 | 餅花 | 繭玉 |
|---|---|---|
| 願いの中心 | 作物が実る豊作 | 養蚕で繭がたくさん取れること |
| 形の例 | 花や穂のように餅を付ける | 楕円形の繭に似た米粉団子 |
| 使う材料 | 餅・柳などの枝 | 米粉団子・餅・枝など |
| 地域差 | 名前も材料も土地によって重なりがある | |
なぜ小正月に枝へ餅を付けるの?
小正月は1月15日ごろを中心とする年の節目で、農作物がよく実るように、実際の収穫より先に豊かな姿を作って祝う「予祝(よしゅく)」の行事が多くあります。枝に餅をたくさん付ければ、木に花や実が付いたように見えます。小正月の基本と小豆粥も知ると、行事の背景がつながります。
紅白の餅にはどんな意味?
紅白の色は祝いや季節の華やかさと結びつきます。ただし、すべての餅花が必ず紅白で、色の意味が日本全国で同じだったわけではありません。米粉だけで白く作る例や、色を付けた団子を使う地域もあります。昔の写真や民俗資料で色の違いを見てみると面白いでしょう。
餅花と繭玉は食べられる?
伝統的には、小正月の火であぶったり、小豆粥に入れたりして食べる例が知られます。しかし市販の現代的な枝飾りは食用とは限りません。ワイヤー、プラスチック、接着剤、染料などが使われる品は、装飾としてだけ楽しみましょう。実際の食品で作った場合も、長く室温に飾った餅は食べず、衛生を優先してください。
自宅で飾るなら何を選ぶ?
- 食品を使う手作りか、長期保存の装飾品か
- 枝の高さと花瓶の安定性
- 餅や小部品が落下しないか
- 火や暖房、ペットの手の届かない場所か
- 地域の伝統に合わせたいなら地元の博物館資料を確認する
柔らかい餅を扱う工作は火傷や誤飲に注意が必要です。家族と作るなら大人が加熱部分を担当し、子どもへ小さな餅片を安易に渡さないようにしましょう。
地域ごとの収穫の願いへ
小正月の餅花は、福井県の粟田部の蓬莱祀のように大きな山車に付けて使われる例もあります。枝飾りを見て、いつどんな作物を育てていたかを想像するのも楽しみ方です。秋の十日夜や亥の子とも比べてみてください。



