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亥の子とは?いのこ餅を食べ、地面を突く秋の行事に込めた願い

ふくみる編集部

水野年方による明治31年の亥の子双六の図版。現在の亥の子祭りやいのこ餅を撮影した写真ではありません

水野年方『春遊亥の子双六』(明治31年/1898年)の歴史図版。現在の亥の子行事の写真ではありません。所蔵:国立国会図書館デジタルコレクション。

この記事の目次

アイキャッチは水野年方『春遊亥の子双六』(明治31年/1898年)の図版です。現代の亥の子行事やいのこ餅の写真ではありません。所蔵:国立国会図書館デジタルコレクション(出典・利用条件)。

亥の子(いのこ)は、旧暦10月の亥の日に、収穫への感謝や家族の健康を願って行われてきた年中行事です。いのこ餅を作る地域もあれば、子どもたちが歌いながら道具で地面を突いて回る「亥の子突き」を伝えてきた地域もあります。単なる猪の形のお菓子ではなく、秋の田仕事を終えた村の暮らしが見えてくる行事です。

亥の子はいつ?

古くは旧暦10月の亥の日を節目として祝う習慣があります。亥の日は十二支の「亥」が割り当てられた日で、12日おきに巡ります。旧暦10月の初めの亥の日を重視する地域もあれば、二度目の亥の日を祝う土地もありました。2026年は暦サイトが11月9日を亥の子として紹介していますが、実際の祭礼・食習の日付は地域と主催団体の案内をご確認ください。

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「亥の子餅」とは何?

農林水産省の「和歌山県のいのこ餅」では、米やもち米、里芋を用いた餅に小豆餡を合わせる地域の料理が紹介されています。秋の田仕事を終え、亥の神様へ新米を供えて実りに感謝する行事の食べ物です。餅の形や材料は土地によって違い、茶席などで見かける猪の子に見立てた和菓子と同じ製法とは限りません。

どうして地面を叩くの?「亥の子突き」の意味

西日本の一部には、子どもたちが藁の束や縄を付けた石などを使い、地面を突いて家々を巡る風習がありました。国立国会図書館のレファレンス協同データベースには、岡山などで行われた石や藁の道具を用いる亥の子突き、唄や掛け声の事例が紹介されています。大阪府池田市の地域史には、新婚の家の門口で地面を叩き、お祝いの品を受け取る例も記録されています。

「地を固める」「田の実りに感謝する」「家の繁栄を願う」といった意味が重なりますが、全国すべての亥の子が同じ道具を使うわけではありません。無許可でよその家や道路を叩くのは現代では不適切です。地域の保存会や祭礼の案内に従って見学しましょう。

亥の子の楽しみ方は地域でどう違う?

習わし 主な内容 文化的な見どころ
いのこ餅 新米や餅を供え、家族でいただく 収穫感謝と食の季節感
亥の子突き 子どもたちが歌い地面を突く 集落での祝いや交流
こたつ開き 亥の日を暖房の使い始めに見立てる 火にまつわる季節の節目

なぜ猪と結びついている?

亥は十二支の十二番目で、動物では猪が当てられます。多産な猪の姿に子孫繁栄や健康の願いを重ねる説明があります。また五行の考え方では亥は「水」に対応し、火事を避ける願いとこたつ開きを結びつける俗説もあります。ただし、こうした言い伝えと、地域史料で確認できる行事の実態は区別して読みたいところです。

現代の暮らしで楽しむなら

行事の背景を知り、地域のいのこ餅や秋の和菓子を味わうだけでも楽しい体験です。餅は小さな子どもや高齢の方などに喉詰まりの危険があるため、食べやすい大きさにして十分注意してください。地元の祭りを見学する場合は、開催日や撮影ルールを公式案内で確認しましょう。

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参考資料

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