
大山祇神社所蔵の国宝・禽獣葡萄鏡。1957年刊行『国宝図録』掲載写真(文化財保護委員会/Wikimedia Commons、Public Domain)。
この記事の目次
御霊代(みたましろ)は、神霊をおまつりするための依り代・象徴となるものを指す言葉です。「御神体」とどう違うのか、鏡だけを指すのかは、神社や資料の文脈によって説明が異なります。國學院大學の神道用語集などを手がかりに、言葉の重なりと参拝者が知っておきたい基本を整理します。
まず3つだけ
- 「御霊代」は神霊をおまつりするための象徴・依り代を表す言葉です。
- 國學院大學の用語集では、「神体・御神体」は御霊代の漢語として説明されています。
- 形や材質は一つに決まらず、鏡・剣・玉などのほか、山や森など自然物が信仰の対象となる場合もあります。

御霊代とは?神霊をおまつりするための象徴
「御霊代」は「みたましろ」と読みます。國學院大學デジタルミュージアムの「神道基本用語集」は、神体・御神体・御霊代を同じ項目で扱い、「神霊が宿ると信じられる礼拝対象であり、神霊の象徴または媒介」と説明しています。また、神体(または御神体)は御霊代の漢語としています。
このため、御霊代と御神体をいつでも別種類のものとして切り分けるのは正確ではありません。文脈によっては、神霊が宿るとされるものを指す点で重なって使われます。神社や神道関係の資料によって説明の仕方や用語の選び方が異なるため、特定の神社について知りたいときは、その神社の公式な案内を確認しましょう。
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鏡だけではない、さまざまなかたち
御霊代や御神体の形は、鏡だけに限られません。鏡・剣・玉などの祭器や神宝、神像、幣などが関わる場合がある一方、山そのものや森、岩、滝など自然物が信仰の対象となっている例もあります。大切なのは見た目の種類だけではなく、祭祀や由緒の中でどのようにおまつりされているかです。
岡山県神社庁の神道用語辞典は、今日の「神体」を「礼拝の対象となる神霊のやどるもの」と説明し、山そのものを信仰対象とする「神体山」も別項目で紹介しています。同辞典では、神宝を祭神に関わるものとして本殿内に奉安する品と説明しています。神宝と御霊代は関係する場合があっても、用語として常に同じ意味とは限りません。
記事冒頭の写真は、大山祇神社所蔵の国宝・禽獣葡萄鏡を写した古い記録写真です。鏡が神宝・祭器として尊ばれてきた歴史を考える参考として掲載していますが、神社の御霊代は一般に公開されないことも多く、この鏡を御霊代そのものと紹介するものではありません。
神社で御霊代を見られるとは限らない
神社の本殿におまつりされる御霊代は、通常、参拝者が自由に見たり触れたりするものではありません。祭祀や神社の方針により、公開の有無や説明の範囲は異なります。御神体を見せてもらうことを前提にせず、掲示や公式案内の内容に従ってお参りしましょう。
鏡・山・岩など信仰の対象についての基礎は、御神体とは?神さまをおまつりする鏡・山・岩で紹介しています。社殿のどこに祭神がまつられるかを知りたい方は、御祭神・主祭神・相殿神の意味、鏡が登場する神話は天岩戸神話と三種の神器もあわせてご覧ください。
よくある勘違い
「御霊代は必ず鏡」「御神体とは別の物」と決めつけることはできません。言葉の使い方は資料や神社の由緒によって異なり、自然物を信仰対象とする例もあります。この記事は一般的な用語の説明で、各神社の祭祀や御霊代の詳細を特定するものではありません。
出典・参考
資料確認日:2026年10月8日。各神社における用語や祭祀の詳細は、公式の由緒・案内をご確認ください。


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