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八百万の神とは?「800万」ではない言葉の意味と天岩戸神話

ふくみる編集部

宮崎県高千穂町の天安河原。岩壁の下に石が積まれた洞窟状の場所
この記事の目次

30秒でわかる「八百万の神」

  • 「八百万(やおよろず)」は、文字どおり800万という数ではなく、「数えきれないほど多い」という意味です。
  • 日本の神々には、自然や自然現象、暮らしや仕事、祖先の御霊など、さまざまな神が含まれます。
  • 『古事記』の天岩戸神話では、八百万の神々が集まって相談したと語られます。
宮崎県高千穂町の天安河原。岩壁の下に石が積まれた洞窟状の場所
天安河原(宮崎県高千穂町)。天岩戸神話と結びつけて伝えられる場所です。写真:Takasunrise0921/Wikimedia Commons(CC BY 2.5、改変なし)。

八百万の神とは?

八百万の神(やおよろずのかみ)とは、日本に多くの神々がいることを表す言葉です。八百万を「800万」と読むことはできますが、神さまの数を正確に数えた数字ではありません。辞書では「八百万」は「数の限りなく多いこと」と説明され、「八百万の神」はきわめて多くの神々を指します。

「八」は、古くから八十(やそ)・八千代(やちよ)などの表現でも、多さや広がりを表す数として使われてきました。「百」「万」と重ねた「八百万」は、数え尽くせないほど多い、という強調として理解できます。

どんな神々を指すの?

神社本庁は、海・山・風の神のように自然や自然現象を司る神、衣食住や生業に関わる神、国土開拓の神などを紹介し、その多様さと数の多さから「八百万の神々」と呼ばれると説明しています。また、国家や郷土のために尽くした人や、子孫を見守る祖先の御霊を神として祀ることもあります。

そのため「八百万の神」は、同じ姿をした神が800万人いるという意味ではありません。地域や暮らしに根ざした多様な神々をひとまとめに表す言葉です。ただし、すべての自然物を一律に神として祀るという意味にまで広げず、個々の信仰や祭祀は神社・地域の伝承に即して見る必要があります。

『古事記』の天岩戸神話に登場

『古事記』の天岩戸神話では、天照大御神が岩屋に籠もった後、高天原の神々が天安河原に集まり、どうすれば外へお迎えできるかを相談したと語られます。この場面で「八百万神」は、高天原の神々全体を指すような呼び名として用いられます。物語では、思兼神が知恵を出し、天宇受売命が舞い、神々が笑い声をあげることで、天照大御神を岩戸の外へ誘います。

これは『古事記』に記された神話・伝承です。天安河原という場所も、現在の宮崎県高千穂町に伝承と結びつけられた場所がありますが、物語の出来事が史実としてそこで起きたと断定するものではありません。天岩戸の物語は天照大御神の記事で、伊邪那岐命の禊から生まれた三柱については三貴子の記事で紹介しています。

「八百万」は今の暮らしとどうつながる?

神道の神々には、全国的に広く祀られる神だけでなく、山・海・水・田畑、地域の祖先や歴史と結びつく神もいます。身近な神社を訪ねるときは、御祭神の名前だけでなく、土地の由緒や祭り、境内の自然にも目を向けると、その地域で大切にされてきた信仰が見えてきます。

神社で「何の神さまをお祀りしているのか」は御祭神の記事で、「神さまを一柱・二柱と数える理由」は柱の数え方の記事で解説しています。御神体の形も一様ではありません。山や岩をお祀りする例などは御神体の記事をご覧ください。

よくある勘違い

「八百万の神」を「神さまがちょうど800万人いる」と解釈する必要はありません。数を確定する言い方ではなく、神々の多さや多様さを表す古い言葉です。

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