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住吉三神とは?底筒男命・中筒男命・表筒男命と綿津見三神の違い

ふくみる編集部

住吉大社の反橋(太鼓橋)
この記事の目次

住吉三神は、底筒男命(そこつつのおのみこと)・中筒男命(なかつつのおのみこと)・表筒男命(うわつつのおのみこと)の総称です。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊(みそぎ)で現れる三神と、住吉大社の四本宮の関係を整理し、綿津見三神との違いを紹介します。

住吉大社の赤い反橋
住吉大社の反橋。三神が祀られる境内の景観です。Saigen Jiro撮影/Wikimedia Commons・CC0。既存掲載写真を再利用。

住吉三神は一柱の別名ではない

住吉大神という名でまとめて呼ばれることがありますが、三柱それぞれに神名があります。住吉大社では、三神に神功皇后(じんぐうこうごう)を合わせた四座を祀ります。「三神」と「四本宮」の数が違うのは、このためです。

名前・区分読み解く目印
第一本宮底筒男命(そこつつのおのみこと)
第二本宮中筒男命(なかつつのおのみこと)
第三本宮表筒男命(うわつつのおのみこと)
第四本宮息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)(神功皇后)

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底筒男命(そこつつのおのみこと)は、水の底の禊(みそぎ)で現れる

伊邪那岐命が黄泉国から戻り、身を清める場面で、水底ですすいだときに現れる神です。底津綿津見神(そこつわたつみのかみ)とは並んで誕生しますが、名前も神格も同じ一柱とは扱われていません。

中筒男命(なかつつのおのみこと)は、水の中の禊(みそぎ)で現れる

水の中ほどですすぐ場面に対応する神です。中津綿津見神(なかつわたつみのかみ)と組になって現れるという並びが、三層の構成を読み取る手がかりになります。

表筒男命(うわつつのおのみこと)は、水面の禊(みそぎ)で現れる

水の上方ですすいだときに現れる神です。『古事記』の表記には上箇之男命などがあり、現在の神社の表筒男命という案内と、引用する古典の字を区別すると読みやすくなります。

綿津見三神と混同しない

住吉三神と綿津見三神は、ともに水底・中ほど・上方という配置で登場します。しかし『古事記』は別の神名の組として記し、綿津見の神々と阿曇氏の祖神の関係も語ります。海に関わるからといって、六つの名を三つの別名へ縮めることはできません。

ツツという神名の意味には、海路や星、船に関係づけるものなど複数の説があります。國學院大學の解説も諸説と批判を並べており、「オリオン座の三つ星が正体」と一説だけを確定事項にするのは避けたいところです。

航海の守りと、和歌の神の信仰

住吉大社は、航海・外交に関わる崇敬に加えて、和歌・文学の神としての信仰も伝えています。神功皇后の外征を助ける古典の伝承と、後世の参拝・文学の文化は、つながりを持ちながらも資料の時代が異なります。

神話上の外征の叙述を、そのまま現代の歴史認識や実証された戦争記録として引用することも適切ではありません。神社の由緒と古典の語り方を、資料名を添えて紹介する必要があります。

住吉大社で、名前と場所を組にして見る

参拝では四つの本宮と御祭神(ごさいじん)の対応を公式案内で確かめてみましょう。反橋(そりはし)や五大力石守の文化も、三神を祀る境内の営みとして見ると興味が広がります。

住吉大社の反橋、五大力石守、綿津見神(わたつみのかみ)も関連する読みものです。

水の底・中・表で、神々が対になって成る

伊邪那岐命の禊では、水の深さを変えながら身を清める場面に、綿津見の神々と筒男の神々が現れます。底・中・表という順が二組に対応するため、名前を六つ暗記するより、まず三つの水の層と二組の神、と分けて見ると整理できます。ともに海と関わることは、二組を同じ三柱にしてよいという意味ではありません。

水の層綿津見の神住吉の神
底底津綿津見神底筒男命
中中津綿津見神中筒男命
表・上上津綿津見神(うえつわたつみのかみ)表筒男命

「筒」の意味には、いくつもの解釈がある

國學院大學の神名解説は、筒の語を港、星、航海に使う棒状の道具、船に関わる信仰などへ結びつける諸説と、その問題点を紹介しています。漢字の筒を現代の円筒形だけに置き換えても、神名の由来がすぐ決まるわけではありません。古い語を、どの資料と結びつけて解くかが問われています。

一方で、住吉の神々が船旅や海の往来に関わる存在として仰がれてきたことは、神社の公式案内からたどれます。語源が一つに決まらないことと、信仰の働きが何も分からないことは別です。神名と祭祀、神話での行動をそれぞれ手がかりにできます。

三神を祀る社に、神功皇后(じんぐうこうごう)が加わる理由

住吉大社の祭神は、住吉三神に神功皇后を加えた四柱です。三神の誕生を語る禊の神話と、神功皇后を導く伝承、住吉の地での鎮座が重なるためです。住吉三神という神名のまとまりと、一つの神社の祭神の総数を分ければ、三と四の違いに迷いません。

住吉大社の由緒は、航海の守護だけでなく、和歌や文学にも広がる信仰を紹介しています。神功皇后の伝承と綿津見神の物語を読み比べると、海の神という大きな分類の中にも異なる物語と祭祀のつながりが見えてきます。

解説の参考:中箇之男命 / 底箇之男命 / 住吉大社の由緒

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