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鳩笛とは?素朴な土笛と地域の民芸文化

ふくみる編集部

小村雪岱が描いた『日本お伽噺集』の表紙。上に鳩笛、中央に三春駒、下にさるぼぼが並ぶ
この記事の目次

鳩笛は、鳩の姿をかたどった笛玩具です。土を焼いて作るものがよく知られ、吹き口から息を入れて音を楽しみます。産地や作り手によって彩色や形が異なり、小さな鳥の姿に土地ごとの工夫が表れます。

鳩笛と鳥笛の違い

鳩笛は、鳥の形をした「鳥笛」の一種です。鳥笛全体には、ふくろう・鶏・うそなどをかたどったものもあります。日本玩具博物館は、郷土玩具の鳥笛について、指穴がなく、尾羽から息を吹き込む形式が一般的だと紹介しています。旋律を演奏するよりも、鳥の声を思わせる音を楽しむ玩具として見ると、その小さな造形の工夫が伝わってきます。

地域ごとに違う、鳥の姿と音色

青森県弘前の下川原焼土人形では、鳩笛が代表的な作例として親しまれています。弘前市の紹介では、下川原焼土人形は文化年間(1804〜1818年)に藩主の意向で陶師たちが作り始めたと伝えられます。これは下川原焼土人形の起源に関する説明で、各地の鳩笛すべてに共通する由来ではありません。

ただし「鳩笛」と呼ばれる玩具は一種類ではありません。土の色、彩色、くちばしや尾の形、音の高さは、産地や作り手によって変わります。各地の笛を並べると、同じ鳥を題材にしていても表情が異なることが分かります。

見るところ 楽しみ方
形 鳥の種類、頭・尾・翼のデフォルメ
素材・仕上げ 土の質感、彩色、釉薬の有無
音 吹き口の位置や内部構造による違い

鳩笛を見るときの注意

古い玩具を手に取る場合は、欠けやひび、補修跡を確認しましょう。笛として鳴るか試すときも、無理に強く吹いたり、内部に水を入れたりするのは避けます。郷土玩具の来歴には伝承が添えられることがありますが、伝承をそのまま確定した歴史とせず、資料で確認できる情報と分けて楽しむことが大切です。

音の出る郷土玩具を見比べたい方は、土鈴のしくみと音色、地域ごとの題材もどうぞ。形を眺めるだけでなく、音の楽しみ方から選ぶ手がかりになります。

鳩笛や郷土玩具をもっと探す

鳩笛の産地や形を知ったら、こけしや三春駒(みはるごま)など、土地ごとの造形も比べてみてください。古い品は一点ものが中心で、状態や由来の説明も出品ごとに異なります。

こけしの種類と産地を読む / 福もの市場で縁起物を探す / メルカリ掘り出し物市場で古い郷土玩具を探す

表紙絵に描かれた鳩笛

冒頭の画像は、小村雪岱が画・装丁を手がけた『日本お伽噺集』(巌谷小波著、アルス、1927年)の表紙です。上に鳩笛、中央に三春駒、下にさるぼぼが描かれています。玩具の輪郭や色が、本の装いにも取り入れられた一例としてご覧ください。実物の製品写真ではなく、当時の資料画です。

画像出典:Wikimedia Commons「Iwaya(1927)-p0000-cover」(パブリックドメイン、原画像のまま掲載)。

参考資料

弘前市「伝統工芸の詳細:下川原焼土人形」 / 江戸東京博物館所蔵「郷土玩具 今戸焼 鳩笛」。弘前以外の作例を調べる際は、所蔵館の資料名・産地を手がかりにしてください。

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