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宝船とは?七福神と初夢に結びついた縁起物

ふくみる編集部

龍頭の宝船に乗り、音楽や踊りを楽しむ七福神を描いた歌川豊国の浮世絵
この記事の目次

まず3つだけ

  • 宝船は、宝物や七福神を乗せて福を運ぶ縁起物として親しまれてきました。
  • 江戸時代には、よい初夢を願って宝船の絵を枕の下に敷く習慣が広がりました。
  • 絵の構図や乗せる宝物は時代や作品によって異なります。

宝船とは?

宝船(たからぶね)は、宝物を積んだ船を描いた縁起物です。七福神が乗る図がよく知られますが、米俵や打ち出の小槌、金銀、珊瑚などを載せる絵もあります。決まった一つの図柄があるというより、福や豊かさを船に託した、さまざまな意匠が受け継がれています。

東京国立博物館が紹介する江戸時代の浮世絵にも、七福神の宝船が描かれています。船の帆や宝物、神々の姿を眺めると、当時の人々が新年にどんな福を願ったのかが見えてきます。

龍頭の宝船に乗り、音楽や踊りを楽しむ七福神を描いた歌川豊国の浮世絵
歌川豊国(一世)「七福神と宝船」(1806年)。Harvard Art Museums所蔵。Wikimedia Commons経由、パブリックドメイン。

初夢に宝船の絵を枕の下へ

宝船は、初夢と深く結びついた縁起物です。江戸時代には、正月二日の夜などに宝船の絵を枕の下に敷いて寝ると、よい夢が見られるとされました。江戸の町には、正月に「お宝、お宝」と呼びながら絵を売り歩く宝船売りもいたと、江戸東京博物館が紹介しています。

絵には、次のような回文歌が書かれることもありました。

長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め
波乗り船の 音のよきかな

上から読んでも下から読んでも同じになる回文です。「長い夜の眠りから皆が目を覚まし、波に乗る船の音がよい」という言葉に、新年の目覚めや福を迎える願いを重ねたのでしょう。風習や歌の形には地域・時代による違いがあります。

七福神と宝物が船に乗る理由

七福神は、恵比寿・大黒天・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋の七柱です。神仏の由来も姿も異なる七福神が一艘の船に乗る図は、福をまとめて迎える象徴として親しまれてきました。七福神の名前や見分け方は七福神の記事をご覧ください。

船に描かれるもの 込められる願いの例
七福神 福徳を招く
米俵・稲穂 豊作や食の恵み
打ち出の小槌・宝珠 願いがかなう、宝を得る
鶴・亀・松竹梅 長寿やめでたさ

これらは作品に描かれることのあるモチーフで、すべての宝船に同じ宝物が載るわけではありません。恵比寿さまの鯛や大黒天の小槌など、七福神それぞれの持ち物と一緒に見ると、絵の中の物語も読み取りやすくなります。恵比寿さまと鯛の記事、大黒天と小槌の記事もあわせてどうぞ。

宝船を楽しむときのポイント

  • 七福神の人数や並び、船の形に決まりがあると思い込まず、作品ごとの違いを楽しむ。
  • 枕の下に敷く風習は、初夢に福を願う昔の習慣として紹介する。
  • 現代の置物や正月飾りは、由来を知ったうえで暮らしに合う形で取り入れる。

宝船は、見る人に福を約束するものというより、「よい年になりますように」という願いを形にした縁起物です。浮世絵の七福神から、現在の正月飾りまで、船に何が積まれているかを比べてみてください。

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