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酉の市の熊手、何が付いている? 飾りの見どころと、初めての選び方

更新:2026年10月6日 / ふくみる

東京都府中市・大國魂神社の酉の市に並ぶ、色とりどりの縁起熊手(2009年)

イメージイラスト。実際の尊像・授与品・販売商品を撮影したものではありません。

遠くから見ると、金色のかたまり。近づくと、真ん中に笑った顔があり、その周りには小判や稲穂、色とりどりの飾りがぎっしり。酉の市の熊手は、一つの中にいくつもの縁起物を探せる、小さな祝祭のような存在です。

大きくて立派なものだけを目指す必要はありません。初めてなら、何が付いているかを眺め、好きな顔や色を見つけるところから。寺社で受ける品と熊手店で選ぶ品の違いも知っておくと、現地で迷いにくくなります。

2009年の東京都府中市・大國魂神社の酉の市で、飾りの異なる熊手が並ぶ様子
熊手の飾りを眺めるための参考写真。東京都府中市・大國魂神社の酉の市、2009年。現在の品揃えや浅草の会場を示すものではありません。写真:User: (WT-shared) Keyaki at wts wikivoyage/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0、画像内容の改変なし)。

最初に、神社の熊手御守と熊手店の品を分けよう

浅草の鷲神社は、神社で授与する熊手御守「かっこめ」と、熊手店で販売される縁起熊手を分けて案内しています。同じ市で見かけても、誰が何として案内する品なのかは違います。[鷲神社「酉の市豆知識」]

熊手を迎える二つの入口
探しているもの 確認する場所
特定寺社の熊手御守 その寺社の公式授与案内。名称、授与場所、受付を確認。
熊手店の縁起熊手 各店の品。作り、飾り、実寸、価格、持ち帰り方を相談。

境内で販売されているという理由だけで、すべてを神社の授与品と呼ばないことがポイントです。逆に、店の熊手には、店ごとの作りや飾りを選ぶ楽しさがあります。違いは寺社の授与品と、市販の縁起物の解説でも整理しています。

まずは中央の顔。次に、その周りを一周する

熊手の写真を見たら、最初にいちばん目に留まるものを探してみてください。おかめの顔、招き猫、船や俵を思わせる形。中心の飾りが変わるだけでも、全体の印象は大きく変わります。

鷲神社は、おかめを「お多福」とも呼ばれる福の多い女性の象徴として紹介し、熊手に飾られてきたことを説明しています。熊手の中に笑顔を見つけると、華やかさだけではない親しみを感じられます。[鷲神社のおかめの解説]

飾りを眺めるためのヒント
目を向けるところ 見比べてみたいこと
顔のある飾り 口元や目つき、顔の大きさ。にぎやかか、おだやかか。
小判や俵を思わせる形 中心に集めるか、外へ広げるか。形と配置で印象を比べる。
稲穂や枝のような飾り 上へ伸びる線、左右への広がり。全体の輪郭を見る。
札や文字 何と書かれているか。名入れの有無や、文字が見える位置。

これは一つ一つの飾りに全国共通の効能を割り当てる表ではありません。何を表しているか分からない部品があったら、作り手や熊手店に尋ねてみましょう。「これは何ですか」という会話も、市で選ぶ面白さの一つになります。

同じ大きさでも、すっきり見える熊手と華やかな熊手がある

飾りの数だけでなく、余白にも注目してみてください。中央の顔を大きく見せるもの、細かい飾りが外側まで広がるもの。正面では同じくらいの大きさでも、横から見ると奥行きが違う場合があります。

部屋で少し離れて眺めるなら、全体の輪郭や中心の顔が見えるかが気になります。近くから眺めるなら、小さな飾りをいくつ見つけられるかを楽しめます。「どこに、どの距離で飾るか」を先に想像すると、大きさ以外の選ぶ理由ができます。

初めての予算は、無理なく迎えられる範囲から

鷲神社の案内は、まず好みのデザインと予算を決め、会場を一周して比べることを勧めています。また、同じ大きさでも、付いている飾りの種類や数で価格が変わると説明しています。[鷲神社「熊手の粋な買い方」]

初めてなら、「大きい方がご利益も大きい」と考えて予算を上げるより、無理のない総額と飾れる範囲を決めておく方が、品を落ち着いて見られます。送料や配送を頼む場合は、その費用も含めて相談しましょう。

前年より大きくするという習わしにひかれたとしても、毎年必ず買い足したり、生活を圧迫する金額にしたりする必要があると決めつけないでください。長く楽しめるペースを考えることも、自分に合う縁起物の選び方です。

値切りや手締めを知らなくても、慌てなくて大丈夫

鷲神社は、値段のやり取りやご祝儀、商談の成立を祝う手締めを、熊手の買い方の文化として紹介しています。ただし、それをすべての店で同じように行わなければならない試験のように考える必要はありません。[鷲神社の買い方の紹介]

分からなければ、まず価格と品の説明を聞いてみましょう。値段が表示されている店なら表示を確認し、やり取りが必要なら店の案内に沿って相談します。慣れた人の振る舞いを無理にまねるより、品物を大切に扱い、相手の話を聞く方が気持ちよく選べます。

最初に聞くなら、こんな一言。

「初めて熊手を選びます。家の棚に置けるものを探していて、予算はこのくらいです。こちらの飾りは何を表していますか?」

飾る場所と予算が伝わると、候補を絞る相談がしやすくなります。触ってよいか、裏側を見せてもらえるかも、その場で尋ねましょう。

「持ち帰れる」と「家に飾れる」は別

会場では大きく感じなかったのに、家の玄関を通ると急に大きく見える。そんなことを避けるために、飾りを含む幅・高さ・奥行きを確認します。柄の長さや、左右へ張り出す部分も忘れずに。

鷲神社の案内には、壁などに掲げる品だけでなく、置物型の熊手もあると記されています。壁に穴を開けられない住まいなら、置く形式を候補にする考え方もあります。[鷲神社の熊手案内]

小さな品でも、人がぶつかる通路や、扉のすぐそばは避けて配置を考えましょう。固定方法や置き方は品の構造によって違います。授与品として迎えたものは、授与元の祀り方の案内も合わせて確認してください。

酉の市は、いつも同じ日付ではない

鷲神社は、11月に酉の日が二回ある年と三回ある年があると説明しています。「去年この日だったから」と予定を決めず、今年の開催日と会場の公式案内を確認しましょう。[鷲神社「何の酉にお参りすればいいのでしょうか?」]

同じ名前の市でも、開催時間、授与の受付、出店などは会場ごとに違います。大きな熊手を持ち帰るなら、混雑した交通機関で無理なく運べるかも考えておきたいところです。現地では、撮影や通行について会場と各店の案内に従ってください。

熊手を選ぶときの、よくある疑問

商売をしていない家でも、選んでよい?

鷲神社は、商売をする人だけでなく、家庭の願いなどでも親しまれていることを案内しています。まずは、自分がどう楽しみ、どこに飾りたいかから考えてみましょう。

通販で買う熊手も、神社の熊手御守?

同じモチーフでも、その寺社が公式に授与する品かどうかは別です。特定寺社の御守を希望する場合は公式案内へ。市販品を探す場合は、作り手、仕様、配送条件を確認します。

古い熊手は、どこへ納める?

返納やお焚き上げの受付対象、日時、持ち込み方法は寺社ごとに確認してください。飾りの素材もさまざまなので、どの品でも同じ方法で扱えるとは限りません。

ひとつの熊手から、次の縁起物を見つける

おかめの顔が気になる。小さな招き猫がかわいい。たくさんの飾りを眺めると、熊手そのものだけでなく、次に知りたいモチーフも見つかります。

酉の市の最新案内は浅草・鷲神社公式サイトへ。ほかの縁起物を暮らしに取り入れたい方は実物を探すへ。顔から選ぶ楽しみなら招き猫の選び方、店の祝いとして考えるなら開店祝いの招き猫とメッセージも参考になります。

飾りを知ると、熊手がもっと面白い。

参考にした資料

浅草・鷲神社「酉の市豆知識」を参照。信仰や習わしは同社の案内に基づく文化として紹介し、各会場・各店の扱いを一律には定めていません。鑑賞、予算、置き場所の考え方と問い合わせ文は編集上の提案です。資料確認日:2026年10月6日。写真の撮影地・年・利用条件は画像下に記載しています。